「ほめ言葉のシャワー」で崩壊学級を再生 その指導法は

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河合博司
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 夏休み明けは「学校に行きたくない」と悩む子どもが増える時期。「ほめ言葉のシャワー」で知られ、数々の学級を立て直してきた北九州市の元小学校教諭、教育研究家の菊池省三さん(60)が今年度、山梨県富士河口湖町の教育アドバイザーに就任した。現場にどんなメッセージを届けようとしているのか。

 菊池さんは北九州市の小学校で30年以上にわたり教えてきた。4年前に退職。崩壊した学級を再生してきたことで知られ、その挑戦は映画にもなった。

 今は「学校を楽しい学びの場に」と講演や公開授業で全国を飛び回る。

 違いを認め合い、価値観の違う意見にも耳を傾けよう▽意見対立は大歓迎。でも尊重し合おう▽「ほめ言葉のシャワー」をクラス全体に広げよう――。教師や児童にそう伝える。

 6月、富士河口湖町の船津小学校体育館。6年の児童96人が参加し、公開授業が始まった。父母約200人も見守った。

 冒頭、菊池さんが「言われてうれしい言葉は?」と尋ねた。みんな押し黙るなか、一人の男児が恐る恐る手を挙げた。

 菊池さんは歩み寄り、「君はかっこいい。よく手を挙げたね」。場の空気がやわらぎ、次は3人が手を挙げた。「『好きだ』『素晴らしい』『すてきだ』。みんな良い言葉だ」。すると10人以上が次々と挙手。立ち上がって意見したがる児童も現れ、公開授業は一気に盛り上がった。

 「授業でも家庭でも、子どものやる気や勇気、可能性を引き出すのは教師や親の声かけ次第」と菊池さんは話しかけた。

 最後にこうも言った。「安易なほめ言葉が胸に響かないのは当たり前で、実は相当な観察力が必要。そこで育つ関係が、クラスという集団を育てる。家庭も一緒。子育ては人生のごく短い期間。じっくり向き合ってほしい」

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■日直をたたえる「帰りの会」…

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