ギリシャ首相、ナチス占領の賠償金に期待 独首相と会談
ローマ=河原田慎一
ギリシャで7月に就任したミツォタキス首相が29日、ベルリンを訪問してメルケル独首相と初めて会談した。ギリシャはドイツに対し、第2次大戦中のナチス・ドイツの占領下で受けた損害に対する巨額の賠償金を求めている。ミツォタキス氏は、経済危機からの脱却に必要なドイツからの投資を求める一方、国内でくすぶる「戦後補償問題」の進展にも期待感を示した。
ミツォタキス氏は会談後の記者会見で、賠償金請求問題について「難しい問題だが、解決が両国関係の深化にとって重要だと信じている」と述べた。ただ、会談でこの問題を協議したかは明らかにしなかった。
ドイツは、ギリシャと1960年代までに補償協定を結んでおり「解決済み」の立場だ。しかしギリシャ国内では「歴史問題」として残っており、チプラス前政権下の今年4月、ギリシャ議会はドイツに賠償金を求めることを可決。当時ミツォタキス氏が党首だった最大野党「新民主主義党」も賛成した。同国議会は、賠償金の額は3千億ユーロ(約35兆円)以上になると試算している。
ギリシャ危機の際、緊縮財政の徹底を最も厳しく求めたのは、最大の債権国だったドイツだった。
2015年に発足したチプラ…
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