「みんな違って、みんないい」だけで良い? その先は?

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聞き手・中村靖三郎
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 漢字を書くことに困難がある作家の梨屋アリエさんが、新著「きみの存在を意識する」(ポプラ社)を8月に刊行しました。学習障害などに悩み、葛藤しながら成長していく中学生たちの物語。かつて「死にたい」と思ったことがあるという梨屋さんは、どんな思いを本に込めたのでしょう。10代の若者たちと読書会を続けている理由とともに、話を聞きました。

 数年前、自分には文字を書くことに障害があるのかなと思い、確かめるために講演会などに参加して当事者に話を聞いてきました。困っている人が問題なのではなく、周りの人が関わり方を工夫することで、困っている状態がなくなる可能性がある。そう考えて、この本を書こうと思いました。

 障害があって一番つらいのは、できないことを人と比べられたり、自分の感覚を否定されたりすることだと思います。その人の発言には、そのことが影響しているかもしれません。だから、周りの人が「なんであの子はあんなことを言うんだろう」と考え、「もしかしたら理由があるのかも」と気づくだけで、障害がある人の生きにくさは減るでしょう。

 一番変わらなきゃいけないのは大人です。ちょっとでも違うと排除しようとする社会にしているのは大人だから。

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 違うものを排除するのではな…

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