ビールは仕事で演劇は趣味 悩んだ、今も時々わからない

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有近隆史
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 「最強の草野球ならぬ…『草演劇』チームを目指して結集した演劇集団です」。ホームページ上で、そう高らかに宣言している演劇集団があります。どんな劇団なのか。仕掛け人に話を聞きました。

 取材場所に指定されたのは、東京・代官山にある「スプリングバレーブルワリー(SVB)東京」という、キリンビールが2015年につくったオシャレなレストラン。クラフトビールの醸造所を併設している。キリンビールが運営しているのに、「キリン」の名称はどこにも見当たらない。「先入観なく、ビールに触れて欲しいんです」。そう話すのは、SVBでマーケティングディレクターを務める吉野桜子さん(37)。

 あれ、ビールの話? これには吉野さんの人生の岐路が関わるのだが、まずは演劇との出会いから。

 吉野さんが演劇に出会ったのは、中学2年のとき。学校には演劇部もあったが、道徳の教科書の延長線上にあるような「お堅い劇」ばかり。吉野さんがやりたかったのは、俳優の上川隆也さんらがいた「演劇集団キャラメルボックス」のような舞台。「大人を対象にしたエンターテインメントで、笑えて泣けて、でもちょっと考えさせられることがあるような舞台をしたかった」

 中学校の先生に直談判し、友人8人で劇団を立ち上げた。劇団名は「芝居の我楽多(がらくた)」。「もはや由来は忘れてしまいました」(吉野さん)。吉野さんの役割は脚本、演出、出演の3役。販売していた既存の脚本などをもとにしていたが、吉野さん自らがオリジナルの脚本を書くようになった。演劇中心の生活は大学に入っても続いた。

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 そして、人生の岐路。大学在…

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