施設に迫る水、深さ1m超 大雨に「想像を超える恐怖」

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 記録的な大雨に見舞われた九州北部。佐賀と福岡で車が水に流されるなどして2人が死亡した。河川の氾濫(はんらん)や大規模な浸水が各地で起き、浸水した地域では住民からの救助要請が相次いだ。

 広い地域が浸水した佐賀県武雄市。28日午前5時15分ごろ「車が流された」と110番通報があり、約2時間後に武雄川近くの水田で車が見つかったが、乗っていた50代男性が死亡した。福岡県八女市でも、同市の浜砂国男さん(84)が浸水した車から救助中におぼれ、その後救出されたが死亡が確認された。

 武雄市によると、浸水で孤立状態になった住民から警察や消防への救助要請が続出した。

 武雄市北方町の多久島三千代さん(35)は自宅1階が水没し、母や夫、長男(1)と一緒に消防のボートで救助された。28日午前5時ごろ、屋根を打つ大きな雨音と雷鳴で目が覚めた。車のタイヤは半分以上水につかっていた。持てるだけの家財道具を持って2階に逃げたが、玄関や床から水が入り始め、1階の水かさは腰の高さに。泣きやまない長男を抱え、どこまで水が増えるか分からない中、2階から救助されたのは午後2時過ぎだった。

 市内では27日午後6時には全域に避難勧告が出ていたが、「少し浸水する程度かな」と思っていた。「想像を超える恐怖だった。災害は怖いと思い知った」

 市内の高齢者施設では周囲の畑が水没し、施設の目の前まで水が迫った。場所によって1メートル以上の深さにまで水が増え、職員らは消防隊員の助けを借りながら車いすを担いだり、おぶったりして入所者10人を高い場所にある別の棟に移動させた。職員の女性は「床下ギリギリまで、みるみるうちに水が来た。入所者の皆さんが無事でよかった」。

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