高齢者の薬、多すぎない? 副作用でまた処方…負の連鎖

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松浦祐子
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 年齢を重ねるごとに持病が増え、のむ薬の種類や数が増える高齢者は多い。複数の医療機関に通い連携がうまくいかず、薬の副作用による症状だとは気づかずに新たに薬が処方される例も少なくない。薬による有害事象を減らすために、厚生労働省は指針を示し、医薬品の適正な服用を呼びかけている。

減薬で寝たきりから回復

 神奈川県内の有料老人ホームに暮らす80代の女性は、約1年前に入ってしばらくの間は、ほとんど寝たきりの状況だった。

 女性は認知症脳梗塞(こうそく)、過活動膀胱(ぼうこう)を患い、以前は3カ所の医療機関にかかっていた。症状を訴えるたびに薬が増え、その数は18種類に達していた。

 薬剤師の三谷徳昭パル・コーポレーション在宅部長の提案で、1年かけて10種類まで減らした。すると、日中はベッドから出て起き上がれるようになり、食事も他の人と一緒に食べられるようになった。部屋の掃除もする。

 三谷さんは「適切な減薬で、生活の質が上がる高齢者は多い」と話す。

 減薬のきっかけは、女性の家族からの「薬が多くて管理が大変。減らせないか」との相談だった。この老人ホームでは、医師の診療に薬剤師も立ち会って薬の見直しを進めている。医師の意見を聞き、体調の変化もみながら、1剤ずつ減らしていった。

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