「死ねる薬欲しい」絶望した患者が見つけた生きる価値

有料記事それぞれの最終楽章

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それぞれの最終楽章・病院の牧師として(6)

淀川キリスト教病院チャプレンの藤井理恵さん

 多発性骨髄腫を発症した61歳のTさんは、揺るぎない価値観を持っていました。「病気の自分は生きる意味がない」というものです。ですから、病気が分かった時に「早く死のう。治療はしない」と決めました。

 内科病棟から「治療を拒否する患者さんがいて困っている」と言われ、訪れたのが出会いでした。彼が語る「図式」は明快でした。

 「病気の自分は何もできない」→「生きていると迷惑がかかる」→「迷惑がかかる人には生きる意味も価値もない」→「自分が死ぬことが誰にとってもいいことだ」

 彼はそう話し、「死ねる薬を…

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