「エロ本」が死んでいく サブカルのゆりかごだった時代

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聞き手・宮田裕介
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 アダルト雑誌の休刊は相次ぎ、大手コンビニ3社が9月から「成人向け雑誌」の取り扱いを原則中止にするなど、「エロ本」と称されてきた雑誌が公衆の場から消えつつある。そんな中、7月に刊行された「日本エロ本全史」(太田出版)が注目を集めている。1946年から2018年までのアダルト誌の創刊号100冊で振り返った一冊だ。著者でアダルトメディア研究家の安田理央さんに話を聞いた。

 ――アダルト誌の歴史をまとめた本を作ろうと思ったきっかけは何ですか。

 「AV監督、ライターなど、長年エロの業界に携わってきましたが、『エロ本は死んでしまった』『歴史が終わる時だな』と思っていました。コンビニにエロ本が置けなくなると決まる前からです。2010年代に入ると寿命を迎えたような気がします」

 「まず、ネットで動画が見られることが大きい。エロ本だけではなくて、雑誌全体に関わってきますが、2000年代に入ると、売り上げは急速に落ち込みました。10年代に入ると、新しい創刊はほぼなくなりました。今のエロ本は、ネットができない高齢者向けの救済措置のような存在になってしまった。雑誌という文化は若い人には響いていないな、と」

 「そんな中、90年代以降のものを含めた通史をまとめた本はなかったので、通史として残して置きたい気持ちがありました」

 ――創刊号を集めた理由は?

 「まっさらな状態で始めるので、意気込みが感じられ、その後の変化の大きさがわかるんです。一般誌のように、プライドはそこまでないので、売れないとあっさりと路線変更をしてしまう。誌名以外の劇的な変化があるからエロ本は面白いんです」

 ――コンビニに置かれているエロ本は、表紙が過激な印象があります。

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 「(04年に)コンビニで立…

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