広島)原爆が奪った暮らし 旧中島地区元住民ら証言集

有料記事

東郷隆
[PR]

 原爆が投下されるまで平和記念公園一帯にはどんな町や暮らしがあったのか――。元住民らが語った当時の様子をまとめた冊子「証言 そこに子どもたちの遊んだ町があった」が刊行された。生き生きとした暮らしを記すことで、一瞬でその日常を破壊した原爆の恐ろしさを伝えている。

 刊行したのは、市民団体「ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会」。元住民の話を聞き、自宅があった場所などを歩く活動を2003年から行っており、証言集は9冊目。今回は再掲を含め、公園に自宅があった旧中島地区の元住民ら10人の聞き書きなどを、多くの写真と紹介している。

 吉川正俊さん(83)は、歌手吉川晃司さんの父。生家は旧中島本町にあった吉川旅館で、兵隊が出征前の宴会をよく開いていたという。子どもの頃に馬車にしがみついて学校に行ったことや、相生橋付近でシジミをとり、元安川を横断して遊んだことなどを振り返った。「むちゃくちゃいたずらっ子でしたね」

ここから続き

 いまの平和記念資料館本館北…

この記事は有料記事です。残り327文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら