同じ手足の選手いない 「僕の伸びしろ」求め出した結論
北京パラリンピック金メダリスト 鈴木孝幸選手
たくましく引き締まった背中が、水の中をぐんぐん進んでいく。
今月上旬、英国ニューカッスル。パラリンピック金メダリストの鈴木孝幸選手(32)が、いつものように朝から泳ぎ始めた。生まれつき右足がなく、左足も短い。ひじから先がない右腕と、指が3本の左手で、力強く水をかく。
高校3年だった2004年からパラリンピックに4度出場し、五つのメダルを獲得した。08年北京大会では50メートル平泳ぎの予選で世界記録を更新。13年9月から、勤務先のスポーツ用品大手ゴールドウイン(本社・東京)の研修制度を使い、英国のノーザンブリア大学に留学している。
16年の前回ブラジル・リオデジャネイロ大会。予選を上位で通過した50メートル平泳ぎだったが、決勝は4位。一つのメダルもとれなかった。「メダルがとれないことは想定していなかった。言葉が見つからない」。ぼうぜんと水面を見つめた。
大会後、五輪競泳金メダリストの北島康介さん(36)を指導した経験もあるトレーナーにアドバイスを求めた。「まだ僕に伸びしろはありますか」。レースを分析すると、下半身が沈み、後半にスピードが落ちていた。トレーナーと出した結論は、体幹を鍛え直すことだった。
英国に戻り、大学のスポーツ…
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