対立泥沼化、韓国人客が激減 観光地「いつまで続く」

有料記事日韓関係・GSOMIA破棄

山野健太郎 竹野内崇宏 関口佳代子 竹井周平 ソウル=清水大輔
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 日韓の対立が深刻化するなか、国内を訪れる韓国人観光客が九州などを中心に急減している。回復の兆しをつかめない状況に、関係者は頭を抱える。

 水郷を巡る観光船「どんこ舟」が人気の福岡県柳川市。市内に4社ある運航会社の一つ「大東エンタープライズ」によると、8月の韓国人客はゼロで、9月も予約がまったく入っていないという。責任者は「船の運航回数も半分ほどに減らさざるを得なくなっている。船頭たちの給料にも影響が出る」と話す。

 市内を訪れる韓国人観光客は年々増え、2018年には外国人観光客約23万4千人の半分を占めた。だが日本が韓国への輸出管理を強化した今年7月ごろから、団体客が減り始めた。

 市観光課の担当者は「韓国人客は去年の半分ぐらいに激減している。政治問題なので影響がいつまで続くか見通せない」と戸惑う。

 国内有数の温泉地・大分県別府市でも「韓国人旅行者が目に見えて減っている」(市観光協会の担当者)という。「地獄巡り」などが人気で、17年に別府市を訪れた外国人観光客約60万人の55%を韓国人客が占めていた。だが今夏はホテルの予約状況が鈍く、満室にならない日が目立つという。

 外国人観光客でにぎわう東京・原宿。韓流アイドルが来店したことで、10~20代の韓国人客にローストビーフ丼が人気の「RedRock 原宿店」。日韓の対立が悪化する前は、1日に100人以上の韓国人客が訪れていたが、最近は20人に届かない日が増え、1日あたりの売り上げも10万円ほど減ったという。夏休みを利用して友人3人で来店したソウルの男子大学生(24)は「文化の交流は切り離すべきだ」と話した。運営会社の東京マネジャー島田亮さん(28)は「日韓関係の悪い状態が早く終わってほしい」と言う。

 日本政府観光局によると、7月の訪日観光客は全体で5・6%増(前年同月比)だったが、韓国からは7・6%減だった。修学旅行など団体客のキャンセルが目立つという。

 大阪出入国在留管理局関西空…

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