日本企業「周回遅れのアフリカ進出」 投資も困難な現実

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石原孝 宋光祐
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 アフリカ各国首脳や国際機関などが参加した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が28日、横浜市で始まった。日本政府は援助よりも民間投資を推し進めたい考えだ。

 南アフリカのプレトリア近郊にある日産自動車の現地工場。今月下旬に訪れると、従業員が黙々と自動車の組み立て作業にあたっていた。年間約4万台を生産し、ここ数年は販売台数も増加。近隣の国への輸出にも力を入れる。従業員の男性は「日本の自動車会社は世界的なブランド。その一員になれたのは誇りだよ」と胸を張った。

 販売台数の増加などを受けて、同社は4月、新型ピックアップトラック「ナバラ」の生産に向けて現地工場の拡張を発表。投資額は30億ランド(約210億円)に上った。発表会に、南アフリカのラマポーザ大統領も駆けつけ、「(日産の)投資を歓迎する」と笑みを浮かべた。

 現地法人の泉信吉社長は「南アフリカの新車需要は底堅く、政府も自動車産業の育成に力を入れている」と話したうえで、「サブサハラのアフリカ諸国は今後、人口が急激に増える。順調に経済発展すれば、自動車の購買ニーズは爆発的に高まるだろう」と期待する。

投資重視の日本に「援助も」

 約13億の人口を抱えながら、経済成長を続けるアフリカ諸国の潜在力は高い。だが、世界的に知名度の高い自動車産業などを除くと、日本企業の進出は遅れている。

 日本は投資を重視する姿勢を…

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