「あり得ない」 日韓対立は決定的 東アジア安保にも影

有料記事日韓関係・GSOMIA破棄

北京=鬼原民幸 ソウル=神谷毅 山下龍一 ワシントン=園田耕司 編集委員・土居貴輝
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 韓国による日韓の軍事情報包括保護協定GSOMIAジーソミア))の破棄決定は、日韓それぞれが結ぶ米国との同盟関係にも影響を及ぼすおそれがある。核やミサイルの開発を続ける北朝鮮への抑止力の低下にもつながり、その「副作用」は日韓関係ばかりでなく、東アジア全体に及びそうだ。リスクの大きな判断に、韓国はなぜ踏み切ったのか。

 韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))の破棄を発表したことで、元徴用工判決や輸出規制の応酬で泥沼化していた日韓関係は決定的な対立状態に陥った。日本政府は、北朝鮮問題などを抱えるなか、安全保障分野の協力関係の象徴ともいえる協定は維持されるとみていただけに、想定外の事態に衝撃が広がっている。

 安倍晋三首相は、韓国の破棄発表直後の22日夕、受け止めを問う記者団の質問には答えず、首相官邸を後にした。

 政府・与党内には怒りの声が広がる。石原伸晃前経済再生相は自身のツイッターで「目を疑わざるをえない。この判断は東アジアの平和に必ず禍根を残す」と投稿。佐藤正久外務副大臣は22日夜のBSフジの番組で「一言で言うと愚かだ。北朝鮮を含めた安全保障環境を見誤っている。(破棄は)あり得ない選択」と話した。

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