拡大する写真・図版 空港のカートでバリケードをつくり、手荷物検査場の入り口前に座り込むデモ参加者=2019年8月13日、香港、西本秀撮影

 香港で「逃亡犯条例」に端を発した抗議デモは香港国際空港の占拠にまで発展し、この影響で1千便以上が欠航しました。出発ロビーにデモ隊が流れ込み、空港が「混乱した」というのが理由でした。この季節、台風での欠航はよく聞きますが、抗議デモが原因というのはあまりなく、大きなニュースになりました。他にも珍しい理由で飛行機が欠航になることはあるのでしょうか。調べてみると、最近の航空業界が抱える課題が、欠航にも影響していることがわかりました。

 欠航は毎日のように起きています。国土交通省の公表資料によると、日本の航空会社12社の合計で、昨年(2018年)度に1万3629便の欠航が発生していました。運航を予定していた全便に占める割合は1.81%。1日当たり換算で約37件にものぼります。

 欠航の理由別では、大きく4区分になっていて、台風などの「天候」を理由にしたものは7390件(全体の54.2%)、続いて「機材繰り」が2064件(同15.1%)、そして「機材故障」が543件(同3.9%)と続きます。一方、「その他」という理由も3632件(同26.6%)もありました。

 「その他」って何なんでしょうか。全日空(ANA)広報担当者に聞くと、「目的地空港の制限、管制事由、乗員繰りなどによる欠航があります」との回答でした。わかりそうで、少しわかりにくいです。それぞれ具体的にどのような状況なのか、元日本航空(JAL)機長で航空評論家の杉江弘さんに教えてもらいました。

 ――目的地空港の制限、管制事…

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