被災者支援ぶっ通し 心疲れ体不調でも「休むわけには」

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吉川喬 岡戸佑樹
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 西日本豪雨が発生した昨年7月、被災自治体の職員の少なくとも2700人以上が、「過労死ライン」を上回って働いていた。被災者の要望をこまめに聞きながら対応にあたる一方で、長時間労働が避けられない現状が浮かぶ。心身のストレスを心配する専門家からは、ケア体制の充実などを求める声が上がっている。(吉川喬)

 広島市の区役所の男性主事(38)の昨年7月の時間外労働は、過労死ラインを100時間以上超える約200時間に達した。8月は100時間、9月は80時間だった。「周囲の職員も同じような状況だった。こんなに働いたのは人生で初めて」と当時を振り返る。

 7月5日から職場に泊まり込み、非常時に備えた。翌6日午後9時過ぎ、「近くの崖が崩れた」「家に水が入ってきた」と住民から連絡が次々に入った。「体験したことのない事態だ」。緊迫感が高まった。

 電話が落ち着いたのは7日午前3時。椅子に座ったまま1時間ほど仮眠を取った。その後、気象情報や雨量計、河川の水位計を確認。着替えの下着はコンビニで買った。市内の自宅に帰ったのは8日午前0時ごろ。2、3時間だけ寝た。

 義援金受け取りやがれき撤去を申し込む際に使う罹災(りさい)証明の申請受け付けは9日から始まった。現場調査をするので即日発行できないが、被災者から「なぜすぐ発行できないのか」と怒声を浴びせられた。

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