知らぬ間にネット履歴分析、着々 リクナビ問題の本質

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村井七緒子
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 年間80万人の学生が使う就活サイト「リクナビ」で、個人情報の不適切な取り扱いが発覚した。運営するリクルートキャリアが、サイトの閲覧履歴から学生の内定辞退率を予測し、企業に販売した行為が批判を浴びた。データの利用について学生への説明が不足していたほか、一部の学生からは同意も得ておらず、個人情報保護法に触れる可能性がある。加えてこの問題は、個人情報から行動などを予測する「プロファイリング」と呼ばれる行為の位置づけが、現行法では不明確だという課題も浮き彫りにした。

リクナビは何をしていたのか

 リクルートキャリアの内定辞退率は、三つのステップを踏んで算出されていた。

 まず、採用企業の内定辞退者を含む過去の応募者のリクナビでの閲覧履歴などのデータを集める。

 次に、集めたデータを人工知能(AI)が分析し、サイト上での行動と内定辞退の相関関係を割り出すアルゴリズム(計算式)をつくる。

 そして、そのアルゴリズムを、就活中の学生の行動履歴に当てはめて、一人ずつの内定辞退率を予測。5段階で評価し、データを企業に販売していた。

 過去の応募学生は、自らの閲覧データを知らぬ間にアルゴリズムの作成に使われ、就活中の学生は、自らの閲覧データから知らぬ間に内定辞退率を予測されていた。8月初めに報道で問題が明らかになり、学生からは怒りの声が噴出した。

 リクナビのプライバシーポリ…

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