韓国が破棄した日韓の軍事情報協定「ジーソミア」とは?

武田肇
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いちからわかる! GSOMIA

 Q 韓国が終了を決めたジーソミアって何のこと?

 A 「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」のことだね。防衛についての秘密の情報を、国同士で教え合うためのルールだよ。同じ外国の脅威を抱える国々で情報交換をすれば、それぞれの国の防衛に役立つ。安心して情報を渡せる環境を作るため、勝手に別の国に情報を漏らさないようにしたり、情報を見られる人を限ったりするなどの取り決めをしているんだ。

 Q 日本が持つ協定は韓国だけなの?

 A 米英仏など7カ国のほか、欧米などの軍事同盟・北大西洋条約機構NATO)とも結んでいる。韓国とは2016年11年に結んだ。日韓の場合、協定の有効期間は1年で、期限の90日前にやめると伝えなければ自動的に延長される。これまで毎年自動延長されてきたけど、日本が7月に対韓輸出規制を始めたことで韓国で破棄論が出ていたんだ。今年の通告期限は8月24日で、韓国がどうするかに注目が集まっていた。

 Q 協定は韓国にも有益なんじゃないの?

 A 韓国の専門家は「協定は日韓双方に有益だ」と説明している。たとえば日本は日本海側の通信所や飛行機で北朝鮮の電波情報を収集し、弾道ミサイル発射を含めた北朝鮮軍の動きを監視している。韓国より早く情報を得ることもある。韓国も助かっているはずなんだ。だけど、韓国は協定を終わらせ、輸出規制を続ける日本に圧力をかけようとしたとの指摘がある。

 Q ややこしいね。

 A 日韓はともに米国の同盟国で、協定の終了は、北朝鮮を抑え込む日米韓の連携に影響しかねない。米国は日韓に維持を求めていたんだ。でも、文在寅政権は協定に批判的な革新系から強く支持されている。支持団体は「過去に侵略した国(日本)に大事な情報を取られる」と訴えており、板挟みになっていたんだ。(武田肇)

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