広島)大雨の中、犠牲者悼む 土砂災害5年

成田愛恵 西晃奈 東谷晃平
[PR]

 2014年の広島土砂災害から20日で5年となった。この災害では、関連死を含む77人が犠牲に。広島市内の被災地で開かれた追悼行事には、遺族らが参列。大雨の中、人々は犠牲者を悼むとともに、災害への備えの大切さを胸に刻んだ。

 この日未明、広島市安佐南区八木3丁目の県営緑丘住宅の近くでは、地域住民らが灯籠(とうろう)をともして、犠牲者に祈りを捧げた。同区の小原山町内会長、財原(ざいはら)一夫さん(71)は「毎年この日が来ると、亡くなられた方の顔が目に浮かぶ。これからも慰霊碑を守っていきたい」と話した。母親と訪れた同市安佐北区の小学5年、永田俊太郎さん(11)は「自分も災害に遭ったら怖い。こんな災害なかったらいいな」と日々の平穏を願った。

 午前9時からは、同市安佐南区の梅林小学校でも追悼献花式があり、約70人が参列した。池田敏則さん(70)は、自宅1階にいた妻の恵津子さん(当時63)を亡くした。仏壇に手を合わせていても現実味がないが、この場所に来るたびに、妻の死を実感するという。「にこにこと笑っている妻の姿しか思い浮かばない」と声を震わせた。

 安佐北区可部東6丁目の新建自治会でも午前10時すぎから追悼献花式があり、遺族や地域住民ら約40人が集まった。自治会長の梅野照幸さん(66)は「雨が降ると、あの日のことを思い出す。自治会で自主防災に取り組み続けたい」と決意を新たにしていた。(成田愛恵、西晃奈、東谷晃平)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら