悔恨・再軍備・南京…率直に語る昭和天皇 研究者も驚き

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中田絢子 編集委員・北野隆一

 初代宮内庁長官の田島道治が昭和天皇とのやりとりを記した「拝謁(はいえつ)記」からは、昭和天皇が戦争への「反省」をたびたび口にしていたことや、改憲による再軍備の主張を繰り返していたことがわかった。戦後間もない時期の率直な発言が記され、研究者は詳細な記録に驚いた。中田絢子、編集委員・北野隆一

 今回見つかった「拝謁記」は、田島道治の遺族が長く保管していたものだ。昭和天皇との面会計613回のやりとりが記されている。そのうち、NHKは報道した範囲に限って資料を各社に公開した。

吉田首相の反対で「悔恨」封印

 公開された範囲で、新たに判明した内容は主に三つある。

 第一が、サンフランシスコ講和条約発効と憲法施行5周年を祝う1952(昭和27)年5月3日の式典でのおことばをめぐり、昭和天皇と田島、吉田茂首相のやりとりが詳細にわかったことだ。「声明メッセージには反省するといふ文句ハ(は)入れた方がよいと思ふ」(52年1月11日)、「私ハ反省といふのは私ニ(に)も沢山(たくさん)あるといへばある」(52年2月20日)。繰り返し「反省」の文言にこだわった。

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 その後、宮内庁内部で反対の…

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