コーヒー豆、栽培し売るだけの村 日本人が飲み方教えた

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萩一晶
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 コーヒーを口に含むと、どこか素朴で爽やかな味がした。6年前にパプアニューギニアに渡った藤野達也さん(63)が今夏、持ち帰った豆だ。神戸のNGOを56歳で退職し、南太平洋の島でのんびりするはずだった「第二の人生」。だが、山奥の村でコーヒーとの意外な出会いが待っていた。

無給のボランティア

 「おなかまわりが、すっきりしました」。神戸の自宅に一時帰国していた藤野さんが笑った。6キロやせ、身ごなしも軽やかだ。

 公益財団法人「PHD協会」(神戸市)に勤めて30年。アジアや南太平洋地域から研修生を迎え、1年間のホームステイで農業や技術を学んでもらう事業で知られる。その選考や調査で現地を何度も訪れた。モノやカネではなく、ヒトを受け入れて村づくりに生かしてもらう――。理念に誇りを持っていた。

 一方で、貧しくみえても幸せそうな暮らしを見るにつけ、「経済発展すれば人はもっと幸せになるのか」という疑問も膨らんだ。「自分も彼らのように、自らの手足を使って生きてみたい」。そんな思いが募り、2012年に退職。渡航先を探し始めた。

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 パプアニューギニアに決めた…

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