エフエム東京、不適切な株取引 新ラジオ事業の赤字隠す

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定塚遼
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 エフエム東京が、デジタルで放送する新しいラジオ事業で生じた赤字を隠すため、損失を抱えた子会社を連結決算から外す不適切な株取引を行っていたことが、複数の関係者への取材でわかった。決算を調査していた第三者委員会が認定したという。21日に会見を開き、調査結果を公表する。

 同社は、内部統制上の問題があったなどとして、5月末に予定していた決算発表を延期。第三者委を設置して調べていた。6月には社長と会長を含む常務以上の6人全員が一斉に交代する異例の人事もあった。

 複数の関係者によると、第三者委が問題を指摘したのは、2016~18年度の決算。旧経営陣が、赤字になっていたデジタル放送事業「i(アイ)―dio(ディオ)」の子会社「TOKYO SMARTCAST」の株を、当時の社長と親しい企業に買ってもらい持ち株比率を下げ、連結対象から外していたことを認定したという。こうした株の移動は実態を欠いており、適切な取引ではなかったとし、エフエム東京に対し連結対象とするよう求めている。

 i―dioは、高音質で映像も楽しめる新しいラジオ放送として、同社が新会社を立ち上げるなどして16年に始めたが、対応端末が市販されないなど、利用者数が伸び悩んでいた。第三者委は、今回の不適切な行為は、i―dio事業の不振を社外取締役を含む取締役や株主に知られることで、事業を推進してきた旧経営陣の責任が問われることを回避する狙いがあったと位置づけているという。

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 放送局の決算でこうした問題…

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