好きなことして、君の道を生きて 中川翔子さん

有料記事学校がつらくなったら

三島あずさ
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 8月下旬から9月上旬の夏休み明け前後に、命を絶つ子どもが多くなる傾向がある。「学校に行くのがつらい」と悩む子どもたちの力になりたい。そんな強い思いを抱く著名人らが、相次いで声を上げている。「どうか生きて」「自分自身を見捨てないで」と。

 タレントの中川翔子さんは8日、いじめで不登校になった体験をもとに、本『「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文芸春秋)を出した。書名は自分のライブで叫ぶ言葉からとった。中川さんは言う。

 「自信がなかった10代のころ。いつかステージに立ち、歌うことを、ひそかに夢見ていました。生きててよかった。あのとき死ななかったからこそ、こうして奇跡の瞬間にめぐりあえた。そんな思いがステージであふれ、出てくるのが、この言葉です」

 先生や友だちに恵まれ、好きな絵を心ゆくまで描いていた小学校生活から一転。私立の女子中学校で、ひどいいじめにあった。

 「入学してすぐにクラスがいくつかのグループに分かれ、『ボス』のグループを頂点にした序列ができました。私は恋愛やアイドルの話にうまくついていけず、立ち位置は『最下層』。いつもひとりで絵を描いているキモい子、というレッテルを貼られました」

 「無視され、陰口を言われ、つらすぎて吐いてしまうと『ゲロマシーン』と呼ばれ、心はぼろぼろ。死のうとしたこともあります」

 10代の人たちに届けたい気持ちを、自筆のマンガでも表現した。200ページあまりのうち、30ページほど。「キモい」と言われて学校では描けなくなり、壊れそうな心を必死に守るかのように、家で描き続けていた絵が、思いを伝える重要なツールになった。

 「中学時代の夏休みは、本当に腐っていました。早く休みにならないかな、と思いながら学校での時間を耐え忍び、やっと休みになると『あの人たちに会わなくていいんだ』と気がゆるんで、朝までネットをやって昼夜逆転の生活。でも、そんな、意味があるのかないのか分からないような時間のなかで、絵は描き続けていました」

 「大人になったいま、伝えたいことをどう表現しようかなと思ったときに、まっ先にマンガを描いていた。しんどいときに好きなことをやって身を守る、心を守るということは、きっと未来につながる。夢のチャージ、未来の夢の種まきになる。心から思います」

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 「文章だけの本だと手に取り…

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