よく練り肉のうまみ閉じ込める ジューシーハンバーグ

ごはんラボ

栗田優美
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ごはんラボ ハンバーグ

 ひき肉シリーズの2回目は、肉のうまみを楽しむハンバーグです。今や「日本食」とも言える家庭料理の定番。「肉を練る」「成形する」「焼く」の勘所をおさえて、一段上の味をめざします。

 理想の出来上がりは、肉の脂や水分を閉じ込め、肉汁たっぷりに、ふっくらと。適度な弾力がありつつ、子どもからお年寄りまでおいしく食べられるやわらかさに仕上げます。一つ目のポイントは、塩を加えてひき肉だけを練ること。だんだん粘りが出て、水分を抱き込みやすくなります。

 厚みは1~1.5cmくらいに。薄いかなと感じる厚さですが、焼いているうちに厚みが出てきます。初めから分厚く作ると、中までうまく火を通せません。

 焼く時は、「弱めの中火」のち「弱火」でじっくりと。「強火で焼き目をつける」と覚えている人もいるかもしれませんが、強火で焼き始めてしまうと周りが焦げ、十分に火が通りにくくなります。(栗田優美)

監修・料理:渡辺あきこ

写真・図版

調理科学 :香西みどり

【材料(2人前)】

□ 合いびき肉 200g

□ タマネギ 60g

□ バター 5g

□ 食パン(8枚切り) 1/3枚

□ 牛乳 大さじ2

□ 溶き卵 1/2個分

□ 塩 小さじ1/4

□ コショウ 少々

□ (あれば)ナツメグ 少々

□ 油 小さじ1/2

□ ケチャップ 大さじ1と1/2

□ 中濃ソース 大さじ1と1/2

【作り方】

ここから続き

①タマネギをみじん切りにする。フライパンにバターを入れて温める。タマネギを入れ、弱火で透き通るまで炒めて冷ます。食パンは耳を除き、牛乳に入れてスプーンでくたくたにつぶす。食パンの代わりにパン粉大さじ2でもよい。

②ボウルにひき肉、塩、コショウ、ナツメグを入れて粘りが出るまで混ぜる。卵、パンと牛乳、タマネギの順に混ぜる。水大さじ1を加えてさらにやわらかくし、2等分する。肉だねを左手と右手に交互に移しながら、厚さ1~1.5cmの楕円(だえん)形に整える。

③フライパンに油を入れて中火で温め、肉だねをのせる。弱めの中火にし、焼き色がつくまで2分ほど焼く。裏返して弱火にし、ふたをして4~5分焼いて火を通す。

④ソースを作る。ハンバーグを取り出したフライパンに水大さじ3、ケチャップ、中濃ソースを入れて火にかけ、混ぜながらとろりとするまで煮詰める。

【動画】ハンバーグ=合田昌弘撮影

【アレンジ】

◆ハンバーガー

 食パンで挟めば豪華なランチに。2人前の材料は、ハンバーグ2個、8枚切りの食パン4枚、タマネギ薄切り20g、トマト1/2個(厚さ8mmの輪切り)、スライスチーズ(チェダーチーズ)2枚、サニーレタス1枚、バター適量。サニーレタスはパンの大きさにちぎる。パンをトーストし、片面にバターを塗る。具を挟み、半分に切る。

Cookery Science

 ひき肉に塩を加えてよく練ると、粘りが出る。これは、肉のたんぱく質が一部塩に溶けたり、互いに絡み合ったりしている状態。加熱することによって、これらが肉汁を閉じ込めながらしっかりした網目構造となり、ジューシーな食感のハンバーグになる。

合いびき肉の比率は

 合いびき肉の表示は、量の多い方から書くのがルール。「牛・豚ひき肉」は、牛肉の方が多いという意味で、割合までは示さなくてもよいことになっています。

 スーパーに聞くと、首都圏で展開する「サミット」や、広島に本社を置く「イズミ」は「牛7:豚3」。ハンバーグを作ることを想定して「おいしくできる」バランスだといいます。地域ごとに変えている会社もありました。

 レストランでは「100%牛肉」が売りのところもありますが、ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」では合いびき肉を使用。広報担当者によると「箸で食べられるやわらかさを出すため、最適な割合を突き詰めた」結果ですが、牛・豚の比率は「企業秘密」だそうです。

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