ごはんのお供にお弁当に しっとりパラパラの鶏そぼろ

ごはんラボ

栗田優美
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ごはんラボ 鶏そぼろ

 炒めてよし、煮てよし。まとめて焼けばボリュームのあるおかずに、野菜に詰めれば気の利いた酒肴(しゅこう)にも。ひき肉は、調理法によって様々に姿を変える食材です。今回から3回、そんなひき肉料理の基本をマスターします。

 まずは、ごはんのお供にぴったりの鶏そぼろを。「パラパラに、かつ、しっとり」仕上げることをめざします。ひき肉を細かく炒めるコツは、温度が上がりすぎない状態で調理すること。こまめに火を止め、慌てずにほぐします。早く温度を上げると、ひき肉が固まってしまい、ほぐれなくなるからです。しっとりとさせるには、完全に汁気を飛ばさず、うっすら残して火を止めます。

 冷蔵庫で保存すれば、数日は日持ちします。濃い味付けはお弁当向け。ひき肉200gに対し砂糖の量を大さじ2にすると、ちょうどよい甘みになります。チャーハンやサラダのトッピングには、砂糖を大さじ1と1/2に控えるとよく合います。(栗田優美)

監修・料理:渡辺あきこ

写真・図版

調理科学 :香西みどり

【材料(作りやすい分量)】

□ 鶏ももひき肉 200g

□ ショウガ みじん切り5g

□ 油 小さじ1

□ しょうゆ 大さじ2

□ みりん 大さじ1

□ 砂糖 大さじ1と1/2~2

□ 水 1/2カップ

【作り方】

ここから続き

①材料をすべて用意しておく。フライパンは直径20cm前後の小さめのものが作りやすい。フライパンに油を入れて温め、油がスーッと動くようになったらいったん火を止める。ひき肉とショウガを入れて弱火にかけ、木べらでつぶし、切りほぐしながら炒める。

②ひき肉が半分ほど白っぽくなったら火を止め、余熱で火を通しながら細かくほぐす。パラパラになるまで、火を止めてほぐすを繰り返す。

③調味料と水を入れ、混ぜて弱火で煮詰める。汁が少し残るくらいで火を止め、味を含ませる。

④冷めたら少し残った汁ごと密閉容器に移す。冷蔵庫に入れ、数日以内に食べる。卵焼きの具や冷ややっこのトッピングにも。

【動画】鶏そぼろ=合田昌弘撮影

【アレンジ】

◆鶏そぼろのサラダ

 香菜(パクチー)とレモンの風味でエスニック風に。2人分の材料は、鶏そぼろ30~40g、サニーレタス3枚、パプリカ1/4個、香菜6本。サニーレタスは一口大にちぎり、パプリカは薄切りにする。香菜は長さ4cmに切る。レモン汁大さじ1、砂糖小さじ1、塩小さじ1/6、油大さじ1を混ぜてドレッシングを作る。器に野菜を盛ってドレッシングをかけ、そぼろをのせる。

Cookery Science

 肉のたんぱく質は50℃で固まり始め、さらに高温にするとしっかり固まる。このため、ひき肉を炒める時には、強火で大きくかき混ぜると短時間で粗い粒になり、弱火で時間をかけながら細かくかき混ぜてほぐすと、パラパラになる。特に加熱し始めが大事。

うまみ強いもも肉

 鶏のもも肉は、筋肉質で脂肪が適度に入っているため、味にコクがあります。胸肉はたんぱく質が豊富で脂肪が少なく、あっさりしています。

 一般社団法人・日本食鳥協会によると、もも肉の香りは焼いた時に、胸肉の香りはゆでたり蒸したりした時により強くなることが確かめられているそうです。

 鶏肉の年間消費量は1人あたり13.8kg。1960年度の1.1kgから増え、2012年度には豚肉を逆転してトップに。鶏肉のたんぱく質は消化吸収がよく、ビタミン、ミネラル類も豊富。疲労回復効果や、老化を遅らせる抗酸化作用があることも分かってきました。特に高たんぱく・低脂肪の胸肉は、飲食店情報サイト「ぐるなび」の17年の「今年の一皿」に選ばれるなど、人気が高まっています。

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