作新学院アルプス、応援も切れ目なし 70曲暗譜で演奏

渋谷雄介
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(16日、高校野球 作新学院18―0岡山学芸館)

 一回、作新学院のアルプススタンド。吹奏楽部の久保翔平君(3年)がタクトを振るった。流れたのは1984年ロス五輪のファンファーレ。その後も、19安打18得点の作新打線のように、試合終了まで攻撃中は切れ目なく演奏を続け、盛り上がるアルプススタンドを一つにした。

 この日は六回まで毎回得点の押せ押せムード。「もっとゆっくりしたテンポでやりたいですが、つい、速くなってしまいます」。久保君も笑顔で額の汗をタオルでぬぐっていた。

 今夏は映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の主題曲など新たに8曲を増やした。昨夏に取り入れたDA・PUMPの「USA」は今年は演奏せず、常に新陳代謝を続けている。

 作新学院は打者ごとのテーマ曲を設定せず、吹奏楽部が野球部のリクエストやシーンに応じて、約70のレパートリーの中から次々と演奏を披露する。楽譜を探していては間に合わないので、部員たちは楽譜を覚える「暗譜」して本番に臨んでいる。

 9日の県吹奏楽コンクールで金賞を受賞し、9月に東関東吹奏楽コンクールを控える。野球部応援のための練習時間はなく、部員たちは空き時間を見つけて取り組んできた。ソプラノサックスの土肥麻由佳さん(3年)は「両方全力でやりたいと思って入学しました。大変ですけど、楽しいです」と笑顔だった。(渋谷雄介)

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