100歳の元兵士は弔い続ける 鉄かぶとの頭骨は戦友か

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岩崎生之助
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 日本の戦没者だけで約310万人にのぼった先の大戦。降伏を伝える玉音放送が流れて、15日で74年を迎えた。洋上での戦闘、逃避行の末の栄養失調、侵略への加担。元兵士や遺族、戦争を知らない世代が、各地で犠牲者を悼み、戦争と平和に思いを巡らせた。

 元兵士は老いても遺骨収集のため海を渡り、100歳になった今年も慰霊施設に足を運んだ。激戦地・ニューギニアで一緒だった戦友を弔うため。同じような犠牲者を出さないために。

20歳で徴兵、陸軍へ

 「関心を持ってくれるのはうれしいね。戦争を二度としないためには知らんことには。戦争とはこんな悲惨なものだということを」

 中野清香さん=長崎県長与町=は10日、自宅を訪ねてきた東京の男子高校生に語りかけた。戦後74年が経ち、従軍経験者が減るなか、今も戦争体験の講演を頼まれ、地元の大学生らが自宅に話を聴きに来る。

 中野さんは20歳の時に徴兵で陸軍に入り、道路や陣地を造る工兵に。中国内陸部に配属され、1943年4月から南太平洋の島、ニューギニアに転戦した。

 いつも行動を共にした、同い年の戦友がいた。

 同じ連隊の合六林三(ごうろ…

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