心臓いぬいてアッの一声 戦場の悲惨な歴史、生きる力に

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大山稜
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 歌手として活動する宮崎市出身の森ユキノさん(26)が、祖父の戦争体験を元に制作した曲を終戦の日の8月15日に発売した。「悲惨な歴史が無駄にならないように」と、戦争の記憶を歌い継ごうとしている。

 幼い頃から歌手を志し、2015年にインディーズデビューした森さん。都内のライブハウスを中心に音楽活動を続けているが、「個性がないと言われ、伸び悩みを感じていました」。自分にしか書けない曲、歌えない曲はないだろうか。そのときに浮かんだのが、祖父の姿だった。

 大正生まれの祖父、兵八(ひょうはち)さん(享年75)は、18歳になる1943年に海軍に入隊、同年9月に戦場となっていた東部ニューギニアへ上陸した。連合軍との厳しい戦いを経験し、44年3月に帰国。45年8月、宇佐海軍航空隊基地(大分県)で終戦を迎えた。

 森さんは両親が共働きだった分、幼少期は宮崎市の自宅の近くに住んでいた兵八さんと長く過ごした。森さんが小学3年の頃、兵八さんは死去。寡黙な性格で戦争経験を語ることは少なかったが、亡くなる5年ほど前に手記を残していた。

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