香港に迫る「武警」その存在の不思議 批判かわす狙いも

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聞き手・高田正幸
【動画】香港近くに集結した中国の「武装警察」とみられる人員と車両
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 香港で「逃亡犯条例」改正案への反対に端を発した政府への抗議運動が続くなか、境界を接する広東省深圳市に中国の「武装警察」が集まっていると、中国メディアが報じています。中国で「武警」と略される武装警察とはどんな組織で、香港のそばに集結することにどんな意味があるのでしょうか? 元駐中国防衛駐在官で、外交・安全保障問題に詳しい笹川平和財団の小原凡司・上席研究員に聞きました。

――中国の武装警察は「警察」を名乗っていますが、軍服のような緑っぽい服を着ています。警察か、軍か、どちらなのですか?

 分類するならば警察ということになりますが、事情はちょっと複雑です。日本人が思い浮かべる一般の警察は、中国で「公安」と呼ばれ、政府の公安省が管轄しています。

 しかし、武装警察を管轄しているのは中国共産党の中央軍事委員会。これは中国の軍隊「人民解放軍」を管轄している組織です。つまり武装警察は軍に属する警察組織ということになります。勤務している人たちの身分や待遇も軍人です。

 ――武装警察はどんな仕事をし、公安や軍の役割とどう違うのですか?

 武装警察の仕事は国内の治安…

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