故郷石巻にたった1人の出版社 RAD野田が押した背中

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岡本進
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 いい本とは売れる本。そう信じていた。だが大震災を経て、それは違うと思い始めた。本当にいい本を探し、宮城県石巻市出身の編集者が地元に、たった1人の出版社を立ち上げた。

 石巻駅に近い交流スペースIRORI石巻(石巻市中央2丁目)に7月26日夕、ロックバンドRADWIMPSのボーカル、野田洋次郎さん(34)がいた。映画君の名は。」に続き、「天気の子」の主題歌も手がけた人気のミュージシャンで、15年近い親交がある「口笛書店」の社長、日野淳(あつし)さん(42)が対談の相手に招いた。

 会場には地元の若者ら100人ほどが集まった。この施設の2階の共用事務所を借り、6月に出版社を始めた日野さんに、野田さんがけしかけた。「やる気さえあれば何でもできる」

6年前に幻冬舎辞め

 日野さんが、東京の大手出版社「幻冬舎」を辞めたのは6年前。石巻高校から早稲田大学に進み、学生時代のアルバイトを含め約15年いた。会社で初めて出した雑誌「パピルス」や、書籍編集の編集長を任された。野田さんとのつきあいは、パピルスの表紙に出てもらってからだ。

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 出版するかどうかの基準は…

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