ふわふわジャガイモのピューレ 牛乳でとろっと優しく

ごはんラボ

山本奈朱香
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ごはんラボ ジャガイモのピューレ

 ジャガイモシリーズの最終回は、ふわふわのピューレに挑戦します。ピューレとは、野菜や果物を潰したもののこと。ジャガイモをゆでて潰し、弱火にかけながら牛乳をゆっくりと加えて作ります。

 ジャガイモのほっくりした甘さに牛乳のコクが溶け合い、とろっと優しい味わい。マッシュポテトは水気が少なくてむせてしまうという人にもおすすめです。

 失敗しないためのポイントは、加える牛乳の温度と混ぜ方です。冷たすぎるとうまく混ざらないので、常温に戻しておくか、少し温めましょう。ジャガイモと牛乳の割合はだいたい1対1。でもイモによって水分量が違うので、レシピにとらわれすぎず、状態を見ながら少しずつ足していってください。混ぜすぎるとねっとりしてしまいます。全体が空気を含んだような仕上がりを目指しましょう。

 鶏肉や牛肉、魚のソテーと一緒に盛り付ければ、ごちそうの一品になります。(山本奈朱香)

写真・図版

監修 料理:有馬 邦明

調理科学 :佐藤 広顕

【材料2人前】

□ ジャガイモ(男爵) 2~3個(150g)

□ 牛乳 150ml(常温に戻しておく)

□ 有塩バター 10g

□ 塩 小さじ1/3

【道具】

□ 包丁とまな板

□ 鍋

□ 竹串

□ 泡立て器(大きめのスプーンやヘラでも)

□ ヘラ

【作り方】

①ほっくり、とろとろの食感にするため、男爵を使う。皮をむいたジャガイモを4等分する。ゆで時間を短縮するため、切ったものをさらに3~4等分にする。

ここから続き

②切ったジャガイモを鍋に入れ、ジャガイモがすべて漬かる程度の水を加える。弱めの中火にかける。15~20分たったらジャガイモに竹串を刺してみて、崩れるぐらいの軟らかさになっていたら火を止め、少し水分が残る程度に湯を捨てる。

③泡立て器などでジャガイモを潰す。すりこぎで強く潰すと粘りが出てしまう。

④バター全量と牛乳を少し加えて弱火にかけ、ヘラで全体を混ぜる。混ざったら、また牛乳を少し加えて混ぜる。これを繰り返す。全体がしっとりしてきたら火を止めて塩を振り、再び混ぜて全体に味をなじませたら完成。ヘラを持ち上げてみて、ポタッと落ちる程度の硬さが目安。

【アレンジ】

◆ジャガイモのポタージュ

 ピューレにさらに牛乳を加えていくと、ポタージュになる。上記のレシピで作ったピューレに牛乳200mlを少しずつ加えていき、弱火にかける。塩小さじ1/3も追加。冷やして冷製ポタージュにしてもいい。その場合、好みでチキンブイヨンやしょうゆを少量加えるとコクが出る。牛乳を加えすぎてサラサラになってしまったと感じたら、混ぜながらしばらく火にかける。

Cookery Science

 ジャガイモの細胞には「もちもち」感に関わるでんぷん、細胞と細胞の接着剤の働きをするペクチンが含まれる。丸ごと加熱すると細胞は壊れず、でんぷんの多くは細胞中にとどまるがペクチンの接着力が弱まる。細胞同士が離れ易くなり「ほくほく」と崩れるような食感に。

Q&A

 神奈川県の渡辺君美枝さんから「煮崩れ防止に煮込み料理で途中でジャガイモを入れると、うまくいきません」との相談が届きました。今回、調理科学の監修をお願いした東京農業大の佐藤広顕(ひろあき)教授(食品科学)に聞きました。

     ◇

 ジャガイモは加熱されると細胞同士を結びつける物質の働きが弱くなり、さらに細胞の中のでんぷんが吸水して膨らみ次第に軟らかくなります。しかし水温が60~70℃付近に保たれると、逆に細胞を結びつける作用が強くなり、いったんこの状態で硬くなったイモは加熱を続けても軟らかくなりにくくなります。

 そこで、水から調理して徐々に水温を上げるのがお勧めです。この方法では、イモ全体が均一に軟らかくなります。

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