ミャンマー大雨、半数犠牲の村も「5人の子を1人も…」
ミャンマー南部モン州で9日朝、大雨による大規模な土砂崩れが起き、13日までに63人の死亡が確認された。10人以上が行方不明で、現場では13日も捜索活動が続いていた。住民によると、集中して降った雨で山の一部が崩れ、村が数分で土砂にのまれたという。
「ゴーンという大きな音の後、あっという間に大量の濁流が押し寄せてきた」。モン州中部テーピューゴン村で被害に遭ったフラミンさん(71)は両手を広げて当時の様子を語った。
家が流され、一緒に暮らしていた17人のうち、長女(38)や孫娘(2)ら13人が次々と遺体で見つかった。「必死で逃げた。気づいたら家族が見当たらなかった」。今は近くの村の親類の家に身を寄せる。「これからどうやって生きていけばいいのか」と声を落とした。
テーピューゴン村の住民約150人の半数近くが犠牲になったとみられる。ひざの骨折や顔を8針縫うけがを負ったキンマーウーさん(43)は、「突然で何もできなかった。5人の子どもを1人も助けられなかった」と涙を浮かべた。
モン州政府の災害担当者によると、村では消防や国軍らが500人態勢で捜索と救助活動を続けている。ミャンマーでは降り続く雨期の大雨でモン州南部や北部カチン州で大規模な洪水が起き、計約4万人が避難している。
モンスーンによる大雨はアジア各地に被害をもたらしており、インドやネパールなどでも多くの犠牲者が出ている。(テーピューゴン村=染田屋竜太)
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