「不自由展」中止、愛知県が検証委設置へ 課題洗い出し

トリエンナーレを考える

岩尾真宏 江向彩也夏
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 企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)について、芸術祭の実行委員会会長を務める大村秀章愛知県知事は9日、企画展の企画、準備段階から中止までの一連の経緯を含め、あいちトリエンナーレのあり方を検証する委員会を設置すると発表した。

 検証委員会は、山梨俊夫・国立国際美術館長を座長に、美術や憲法などの専門家6人で構成。16日に愛知県庁で初会合を開き、11月末まで検証を続け、報告書をまとめる。

 企画展をめぐっては、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品に抗議が殺到したことを受け、芸術祭の実行委員会が中止を決めた。検証委員会はヒアリングなどを通じ、芸術祭の実行委員会や県庁などの課題を洗い出し、今後の類似イベントの改善策を提案するほか、公金を使った芸術作品の展示のあり方や公金による芸術支援などについても県に提言するという。

 芸術祭は10月14日まで開催予定。期間中の検証委員会開催について、大村氏は記者会見で「終わってから検証するのが普通かもしれないが、今回は事実でないことも色々書かれている状況にある。情報公開して透明性を確保し、事実関係をご覧いただき、そのうえでいろんな観点でご意見いただければ」と話した。(岩尾真宏、江向彩也夏)

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