五輪切符をかけたスポーツクライミングの世界選手権が11日から東京・八王子で行われている。東京五輪で実施されるのは、「スピード」「ボルダリング」「リード」の三つの総合成績を競う「複合」だ。女子は20日、男子は21日に決勝が行われる複合で7位以内に入った日本勢最上位選手は、2020年東京五輪の代表に内定する。
「一発で取る」。勇ましく代表権獲得を宣言するのは、女子の22歳、野中生萌(みほう、XFLAG)だ。昨年はボルダリングのワールドカップ(W杯)で初の年間女王に輝くなど、日本のエースに成長した。
だが、競技人生は暗転する。今年3月のことだった。大会中に左肩の関節を痛めてしまい、「(世界選手権は)ちょっと厳しいのかなって」。出場予定だったW杯は序盤戦を回避。昨年9月に痛めた右肩が癒えてきたところだっただけに、「いろんな葛藤がありました。もちろん焦りもありましたし。いろんなことが予定通り進まなくて、調子も全然上がらなくて……」。
それでも、試練を成長へと昇華できるのが、野中の強さだ。「課題への集中とか、ミスしそうな課題をしっかり決めるとか。(ルートを)今までより深く読むようになりました」。実際、6月にあった複合の日本一を決めるジャパンカップで優勝。第一人者の野口啓代(あきよ、30)=TEAM au=からも初白星を挙げた。「しっかりと一つ一つクリアして上がってこられているなっていううれしさと、自信も少しずつ取り戻せているかな」。得意のボルダリングでも、課題の形状によっては、今も肩に不安が残る。「対誰かっていうよりは、本当に自分のクライミングをどうやっていくかっていうのが重要な感じ」
クライミングの五輪代表枠は…
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