インド、カシミール自治権撤廃 パキスタン・中国は反発

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奈良部健 北京=冨名腰隆
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 インド政府は6日、パキスタン領有権を争うカシミール地方のインド側、ジャム・カシミール州について、70年前から認めてきた自治権を議会手続きを経て剝奪(はくだつ)した。上下院いずれも3分の2を超す賛成で憲法規定を撤廃し、連邦直轄領とする改正案が成立した。これにパキスタンだけでなく、一部地域を実効支配する中国も反発している。

 インドは、ジャム・カシミール州を二つに分割し、東部地方のラダックとジャム・カシミールをそれぞれ連邦直轄領とした。インド政府はこれまで法律の適用に同州の同意を原則得る必要があったが、直接統治が可能となった。イスラム教徒が多数派の同州の中で、仏教徒の多いラダックではこれまでも州からの自治を求める運動が続いていた。

 インドのモディ首相はツイッターなどで、「我々の民主主義の歴史上、重大な出来事だ。皆と共にインド13億人の夢を実現していこう」と訴えた。

 一方、ラダックの一部であるアクサイチンを実効支配する中国も反発。中国外務省の華春瑩報道局長は6日夜、「中国側の領土主権を侵害し続けており、このやり方は受け入れられず、いかなる効力もない。インドが協定を守り、国境問題を複雑化しないよう促す」とのコメントを出した。

 インドとパキスタンの衝突に…

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