「あまりにひきょう」障害者の介護死亡事件、職員を起訴

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武田啓亮 芳垣文子 天野彩
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 在宅介護サービスを利用していた寝たきりの男性に介護職員が暴行を加えて死亡させた事件で、札幌地検は9日、札幌市豊平区中の島1条1丁目、介護職員太田幸司容疑者(24)を傷害致死罪札幌地裁に起訴した。介護サービスを受ける障害者からは、再発防止を求める声が上がっている。

 2013年に障害者総合支援法が施行され、障害者の自立を社会全体で支える動きが進んだ。7月の参院選では2人の重度障害者が当選し、議場のバリアフリー化が行われた。障害者が地域で暮らす流れに水を差しかねない今回の事件に、戸惑いが広がっている。

 「抵抗できない障害者を死なせるなんて、あまりにひきょうだ」。障害者の自立支援などに取り組むNPO法人「札幌いちご会」理事長で、脳性マヒの重度障害がある小山内美智子さん(66)は憤りを隠さない。

 小山内さんは10人ほどのヘルパーのサポートを受けて自立生活を送る。汗をかいた、トイレに行きたいなど、ヘルパーには様々なお願いをする。寝返りが打てないため、夜間はヘルパーが仮眠を取りながら、時間になると寝返りを助ける。

 介助はほぼ1対1だ。今のスタッフは信頼でき、不安はないという。しかし過去には、勝手に部屋のものを動かしたり、目玉焼きを作って食べたりした人もいたという。「身の危険を感じたことはないが、密室の怖さはある」と話す。

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 小山内さんは事件の背景にヘ…

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