ユニホームから、わずかに加齢臭がした。緑の野球帽にはイニシャルの「F」。胸には「FUTABA」の母校名。靴下には3本のストライプが入っている。
「見ろ。この3本線が俺たちの誇りだ」。福島県浪江町出身の渡辺広綱さん(64)は見せつけた。「1973年、80年、94年と3回、甲子園を踏んでいる。この線が4、5本と増えていくのが俺たちの夢だった」
母校・福島県立双葉高校(双葉町)は東京電力福島第一原発の事故後、県内4カ所に分散して授業を続けたが、2017年春に休校。野球部も廃部に追い込まれた。
広野町で暮らす松本伸哉さん…
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