岩手)実名証言で真相究明へ一歩 大槌町が震災記録誌

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本田雅和 東野真和 中山直樹 太田原奈都乃 藤谷和広
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 津波の直撃を受けて多数の犠牲者が出た岩手県大槌町。8年前のあの日、役場庁舎では何があったのか――町が5日に発行する震災記録誌「生きる証(あかし)」では、当時を知る職員らが実名で証言した。専門家は「全体像の一端が見えだした」と評価する一方で、第三者による再検証も求めている。

 「涙なくして読めなかった」。被災者の「心の復興」に取り組む麦倉哲・岩手大教授(防災社会学)は、声を詰まらせた。

 同僚を懸命に救おうとして果たせなかった職員、他の人を優先して屋上にあげ自らは津波にのまれた職員……。記録誌に登場する職員の生死を分けた屋上への鉄製はしごは、麦倉氏自身が昨夏、解体直前の旧庁舎に入り、実物を見ている。

 生存者と犠牲者には大きな隔…

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