あの聖地「雲の上の存在」 日本有数オケ奏者語る吹奏楽

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構成・魚住ゆかり
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 「吹奏楽の甲子園」と呼ばれる全日本吹奏楽コンクール。全国大会を目指す各府県大会に続き、支部大会が始まり、吹奏楽の「熱い夏」は今、真っ盛りです。日本の吹奏楽人口は、500万人ともいわれます。プロのオーケストラの管楽器奏者にも、吹奏楽部出身者がずらり。当然、全日本吹奏楽コンの出場経験を持つ人も多くいます。その全日本の会場として長らく使用され、「聖地」として親しまれたのが、昨年末惜しまれながらその歴史を終えた普門館東京都杉並区)でした。日本を代表するオーケストラ、NHK交響楽団東京都交響楽団読売日本交響楽団の管楽器奏者にお集まりいただき、青春の象徴だった普門館やコンクールについて、熱く語りあっていただきました。

参加者のプロフィール

 加藤明久 1961年生まれ。日大二中・高の吹奏楽部でクラリネットを始める。国立音大卒。1990年からNHK交響楽団クラリネット奏者を務め、2019年3月退団。

 糸井裕美子 1971年生まれ。兵庫県西宮市立浜脇中でクラリネットを始める。県立西宮高、東京芸大卒。2010年から東京都交響楽団クラリネット奏者。

 菊本和昭 1980年生まれ。西宮市立今津中吹奏楽部でトランペットを始める。洛南高、京都市立芸大・同大学院卒業。2012年からNHK交響楽団トランペット首席奏者。

 日橋辰朗 1988年生まれ。東大和市立第三中吹奏楽部でホルンを始める。東海大菅生高、東京音大卒。2015年から読売日本交響楽団首席ホルン奏者。

 ――普門館とのご縁は。

 加藤 普門館で全国大会が続けて開かれるようになった1977年から2年連続で出場しました。高2で出場した際に、演奏後に審査員だったN響(NHK交響楽団)のクラリネット奏者、大橋幸夫先生に声をかけられて師事することになり、音大に進学。今に至ります。

 全員 へええ。

 糸井 中学2、3年の時、関西大会に出場しましたが、それが精いっぱいの学校でした。普門館といえば、お隣が全国大会25回出場の今津中でした。

 菊本 その今津中出身です。6歳上の姉は、3年連続で普門館での全国大会に出場しましたが、僕は洛南高1、2年の時だけ。3年連続出場を目指した高3の時は、部としては18年ぶりに関西大会で銀賞に終わり、出場を逃しました。

 日橋 僕が中学生のころの東京は、府県大会にあたる予選から普門館でした。中2、中3の予選と高1、高2の都大会、合計4回乗りましたが、高校の予選と高3の都大会は、別の会場でした。中学校も高校も、全国大会出場歴はありましたが、僕の時は一度も出場していません。

 ――日本のオーケストラの管楽器奏者の多くは中高の吹奏楽部出身ですが、普門館経験者はどのくらい?

 日橋 読響(読売日本交響楽団)は……。

 加藤 浦丈彦君(オーボエ)をはじめ、何人も出てるんじゃないかな。N響は、山根孝司君(クラリネット)が出てるかな。

 菊本 金管は僕とバストロンボーンの黒金寛行君?

 加藤 トロンボーンの吉川武典さんやホルンの石山直城君もじゃないかな。N響の吹奏楽部出身の大先輩たちが「お前、吹奏楽だろ」と声をかけてくれて、いろいろなご縁をいただきました。

 糸井 うちの都響(東京都交響楽団)はどうですか?(笑)

 加藤 それが、僕もちょっとよくわからなくて。

 ――普門館との出会いは。

 加藤 中1での初舞台が普門…

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