大村知事一問一答「行政がコミット、芸術祭でなくなる」

【動画】「表現の不自由展・その後」の中止について会見で発表する愛知県の大村秀章知事=川津陽一撮影
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 愛知県内で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)で、実行委員会会長の大村秀章愛知県知事は3日、企画展「表現の不自由展・その後」の中止を発表した。記者会見の主な一問一答は次の通り。

     ◇

 「トリエンナーレについては、(津田)監督の指揮のもと中身を決定した。それを尊重したいと考えている。そういう中で昨夜午後10時半ぐらいに、津田監督と話をして、今回の展示については、諸般の状況を総合的に考慮して、必要な対策を取るという観点から、(『表現の不自由展』そのものを)本日までにすると(決めた)」

 「これ以上、(抗議などが)エスカレートすると、安心して楽しくご覧になってもらうことが難しいと危惧。円滑な運営を考えた。昨日の朝には(美術館に)『撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する』というFAXもあった。こうした卑劣な非人道的なFAX、メール、恫喝(どうかつ)・脅迫の電話等で、事務局がまひしているのも事実だ」

 「私どもの考え方は、行政が展覧会の中身にコミットしてしまうのは、控えなければならない(というものだ)。そうしないと、芸術祭じゃなくなる。(今回の展示によって)『表現の自由の議論を』という趣旨は多くの人に届いた、ということで理解をもらいたい」

 「今回の予算は、基本的には愛知県の負担が約6億円、名古屋市が約2億円。事業全体で12億円ぐらい。国からは、文化庁に審査をいただき、7829万円の交付金をいただいている」 ――展示室そのものは閉鎖か、撤去か

 「展示自体は本日まで。明日以降は展示室には入れないようにする。今後は、意見をうかがいながら進めていきたい」

 ――展示の再開はありえるのか。

 「展示は今日まで。昨日今日の話なので、急いで話を進めてもしょうがない」

 ――表現の不自由展に出品し…

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