水はじくシロアリの羽、まねて新技術 カギは二つの突起

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杉浦奈実
【動画】シロアリの羽まねた構造を再現 水滴をはじいたり集めたり=龍谷大学提供
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 雨や霧の中を飛ぶ昆虫の羽の表面をまねた構造を、龍谷大学などの研究チームが作った。大きな水滴ははじき飛ばし、小さな水滴は集めて大きくする。汚れがつきにくい窓や、霧から水を集められる材料などへの応用が考えられるという。専門誌「コミュニケーションズ・ケミストリー」(https://www.nature.com/articles/s42004-019-0192-6別ウインドウで開きます)に6日発表した。

 チームが注目したのは豪州のシロアリ。鳥などの天敵に襲われにくい雨期に、羽アリが巣から飛び出して移動する。羽の表面に長短2種の突起を持ち、大きな雨粒は長い突起ではじき、霧のような水滴は短い突起の上で集めて大きくすることが知られていた。小さい水滴は軽くてはね飛ばしにくく、ほかの水滴と合体させて落とすのが効率的だと考えられるという。

 チームは有機化合物を使い、羽の表面を再現。高さ約16マイクロメートルと、約1・9マイクロメートルの2種類の針のような突起が並んだ構造を、ガラス基板の上に作った。大小の水滴を吹きかけると、直径100マイクロメートル以上の水滴ははじかれ、それ以下の水滴は集まって大きくなった。

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 龍谷大の内田欣吾教授(機能…

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