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漫画偏愛主義

　５月に百合（ゆり）マンガをご紹介したところで、また本作も百合マンガである。ここ最近、百合マンガをたて続けに読んでいて、こんなに読み応えのある作品がそろっていたのか、と開眼させられた思いだ。いや、それはネット書店が私の閲覧・購入履歴から似たジャンルのマンガをオススメしてくるからではなく、百合マンガへ手をのばさずにいた私の偏見が取り除かれて、書店の百合の棚へよく行くようになったからなのだ。

　本作は３作品を集めたオムニバスだが、作者によると、コンセプトは「理想の人との恋」、テーマは「恋の無敵感」なのだそう。その通り、この作品は恋に落ちた時の疾走感と全能感に満ちあふれている。

　「百合はファンタジー」と言…