静かな墓地、ガラガラ響く骨の音 流れ着いた8人を供養

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板倉大地
【動画】木造船と漂着した遺体、引き取り手なく無縁墓地へ=板倉大地撮影
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 近年青森県内への漂着が増えている北朝鮮からとみられる木造船と、遺体。引き取り手のない遺骨は自治体に保管された後、無縁墓地へと納められる。2017年に8人の遺体が漂着した深浦町では、8日朝から真夏の日照りの下で、静かに8人分の遺骨が無縁墓地へと納められた。

 深浦町の町営墓地の一角で8日朝、町職員4人が軽トラックの荷台から複数の木箱を運び出していた。それぞれの箱には紙が貼られ、「12月14日 深浦町大間越」などの文字が並ぶ。

 箱の中身は遺骨だ。町によると、2017年に相次いで町に流れ着いた8人の遺体の遺骨だという。箱に貼られた紙には国籍、名前はなく、遺体の発見日や場所が記されているだけだ。

 1990年に町営墓地内に設けられた無縁墓地には、昨年までに23人の遺骨が納められてきた。「行旅(こうりょ)病人及行旅死亡人取扱法」では、引き取り手のない遺体の埋葬を自治体がするように定められている。だが、町で火葬し、1年以上が経っても身元に関する連絡はなく、新たに8人分の遺骨が納められることになった。

 遺骨は無縁墓地の中へと順々に入れられていき、セミの鳴き声がするだけの静かな墓地に遺骨の「ガラガラ」という音が響いた。町の男性職員は、「しけに巻き込まれて船から投げ出されたのか。救命胴衣をつけていない遺体もあったと聞いた。かわいそうだ」と話した。

 昼前には、荘厳寺の木本大隆…

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