神奈川)「釘のない海の家」建てた理由 伝統建築ヒント

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秦忠弘
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 小田急・片瀬江ノ島駅にほど近い神奈川県藤沢市の片瀬東浜海水浴場。ずらりと並ぶ海の家の一角に、かまぼこ形の一風変わった建物がある。白い天幕に黄色いタツノオトシゴや緑や青で彩られた魚の絵。安全な砂浜づくりのシンボル的存在となった「釘のない海の家」だ。

 幅9メートル、奥行き10メートル、高さ4・5メートル。ベニヤ合板を木製のくさびでつなぎ合わせた構造で、釘を全く使っていない。16ある海の家で組織する江の島海水浴場営業組合片瀬海岸東浜の事務所として使われている。以前はプレハブだったが、2017年夏に初登場。ライフセーバーの待機所や、DJブースも兼ね備える。

 設計したのは、慶応大学大学院の小林博人教授(58)だ。「京都の清水寺の舞台のように、日本の伝統的建築には釘を使わない仕組みがあった。それに倣い、釘を一切使わずに木のくさびを改良し、合板という当時はなかった新しい面素材をつなげる構造にした」

 片瀬東浜では毎年、海の家は…

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