「古墳に興奮」 装飾古墳モチーフのデザインが熱い

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今井邦彦
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 丸や三角の幾何学文様、抽象化された馬や舟――。1千年以上前の「装飾古墳」に描かれた古代人の文様を現代の生活に取り込もうと、熊本のデザイナーらが身近なグッズへのアレンジに取り組んでいる。多くの人に届けたいと、商品化に協力してくれるメーカーを探している。

 5~8世紀、石室の壁や石棺に様々な文様が施された「装飾古墳」は全国に約700基。そのうち約200基が熊本県、約80基が福岡県に集中する。最初は丸や三角による幾何学文様が中心だったが、次第に盾や甲冑(かっちゅう)などの武具、人、馬などの絵が登場する。茨城県鳥取県にも九州の影響を受けた装飾古墳があることや、絵の中に舟が多く登場することから、装飾古墳の被葬者は舟による交易や水軍を掌握していた首長だったという説もある。

 地元の素晴らしい遺産を現代によみがえらせたいと、熊本県のデザイナーらが4年前、「熊本デザインプロジェクト(熊デプ)」を立ち上げ、デザイン化に取り組んできた。

 代表のデザイナー、ペドロ山下こと山下秀男さん(72)は、地元の崇城大でデザインを教えていた10年ほど前、装飾古墳の様々な文様に出合い、学生らと制作した作品を東京で展示した。「単純な丸や三角を連ねた模様はまさにデザインの原点。デザイナーの視点で見ると、おもしろいものができそうだと思った」

 「地域の宝」に光を当てる山下さんの姿勢に共感したデザイナーらが集まり、2015年に熊デプが発足。画像や資料などは、熊本県内の装飾古墳のレプリカを展示している県立装飾古墳館(熊本県山鹿市)から提供を受けた。

 井寺古墳(同県嘉島町)の石…

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