日本人でない可能性の遺骨 鑑定後も外務省に連絡せず

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浜田知宏 山本恭介
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 シベリア抑留者の遺骨として2014年に持ち帰った16人分の遺骨が日本人のものでない可能性が高いことを厚生労働省が公表していなかった問題で、同省がDNA鑑定を依頼したのは収容の1年半後だったことが30日、明らかになった。鑑定結果が出てからも、ロシア政府との協議の窓口となる日本外務省に連絡しておらず、対応が遅れた。

 厚労省によると、同省職員2人は14年8月、ロシア側から提供された日本人抑留者の埋葬地とされる場所の地図と名簿などをもとに、シベリアのザバイカル地方で遺骨を収容。ロシア側から紹介された現地の専門家に、骨の形で大まかに判別する鑑定をしてもらい、「日本人の蓋然(がいぜん)性が高い」とされた16人分の遺骨を持ち帰った。同省社会・援護局の吉田和郎事業課長は「遺骨収容自体に問題はなかった」とする。

 だが、国立科学博物館の篠田謙一・人類研究部長は「日本人の骨を見慣れた人が鑑定することで精度は高まる。ロシアの鑑定人は日本人の骨を見慣れていない」と指摘。厚労省も遺骨収容の手順を見直し、18年度から日本人の鑑定人を同行させることにした。

 DNA鑑定を専門家に依頼し…

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