孤独死で汚れた家財、処分しやすく 遺品整理業者に許可

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菅原普
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 誰にもみとられずに最期を迎える「孤独死」。家具や衣類などのこされた家財を処分する際、遺品整理業者がごみとして回収・運搬することを認める動きが出ている。従来は専門の業者しか運べなかったが、分別から運搬まで一つの業者が行うことで、より迅速に処分できるようになる。

 福岡市は7月末、福岡県大野城市宗像市に本社を置く遺品整理業者に許可を出した。2社は市内で月内にも、遺品整理に伴うごみの回収・運搬の作業を行う予定だ。市によると、遺品整理に限定してごみ回収・運搬の許可を出すのは、全国の政令指定市で初めてという。

 遺品整理は、孤独死した人の身辺の片付けを遺族などに代わって担う。遺族にのこすものを分別し、遺品の処分や部屋の清掃も行う。カーペットなどの燃えるごみ、ベッドやマットレスといった粗大ごみなどが出るが、遺体の体液によるにおいや汚れがつきものだ。

 処分する遺品は一般家庭からのごみとして扱われ、廃棄物処理法上、市町村が認めた業者しか回収・運搬ができない。そのため、従来は、家庭ごみの回収日に出したり、収集業者を予約したりして焼却場や埋め立て施設へ運んでいた。

 作業日が限定されるため、においが近隣にもれたり、遠方の遺族が回収日にごみ出しに来たりする例もあった。部屋の所有者や近隣住民、遺族の負担も重く、市は突発的に起こる遺品整理は既存の収集業者だけではカバーできないと考え、新たに許可を出すことにした。

 市収集管理課によると、対象…

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