保育士の暴力を幼児園側が隠蔽か 横浜バディスポーツ

茂木克信
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 横浜市緑区にある認可外保育施設の男性保育士(23)=16日付で解雇=が複数の男児に暴力を振るっていた問題で、5月に保護者が、保育士が暴力を振るっている疑いがあると施設に訴えていたことがわかった。だが、施設の調査が不十分で、その後の被害を防げなかったという。

 この施設は「横浜バディスポーツ幼児園 長津田校」。園によると、男性保育士は担任を務める3~4歳児クラスの男児に暴力を振るったといい、確認できた被害は6月下旬からの約3週間に9人・計11回に及んでいた。授業中に数字を正しく書けない3歳児のほおを平手で4回ほどたたいたほか、別の男児をいすから乱暴に立たせたり、昼食を約3時間食べさせ続けたりしていた。

 25日にあった保護者説明会での施設側の説明などによると、5月末にこのクラスの保護者から「子どもが『ともだちが先生にたたかれている』と怖がっている」と施設に連絡があった。そこで副園長が聞き取りをしたが、保育士は暴力を否定。教室内の防犯カメラの映像はひと月分ほど残っているが、副園長は1日分しか見ずに、保護者に「暴力を振るっている事実はない」と答えたという。

 その後、今月11日になって別の保護者が「子どもが授業中にたたかれたと言っている」と施設に連絡。この時はすぐに映像で暴力を確認できたが、副園長は問題になるのを恐れて「たたいていない」と一度は否定。だが、他の保護者からも追及されて映像を見せざるを得なくなり、9人への暴力が発覚した。

 菊池剛園長(51)が一連の事態の報告を受けたのは、副園長が初めて保護者に暴力を認めた16日だったという。菊池園長は26日に取材に応じ、「5月の時点で暴力に気づけず申し訳ない。第三者委員会を立ち上げるなどして、8月末までに再発防止策を示したい」と話した。(茂木克信)

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