「パンプキン」を知っていますか 児童文学作家の思い

有料記事空襲1945

聞き手・山城響
[PR]

 第2次大戦末期、米軍がテストのため国内各地に投下した模擬原爆「パンプキン」。その存在を知ってもらおうと、児童文学作家の令丈ヒロ子さん(55)が2011年に著した「パンプキン! 模擬原爆の夏」が今年、文庫本化された。被爆74年が近づくのを機に、作品への思いを聞いた。

「パンプキン! 模擬原爆の夏」あらすじ

大阪に住む小学校5年生の主人公ヒロカは、原爆とは無縁と思っていた自分の住む町に、模擬原爆が落とされた過去を知る。戦争の詳しい話を聞いたヒロカはショックを受けるが、それでもみんなに知ってほしいと模擬原爆について調べ始める

 書くきっかけは2003年、地元の大阪市東住吉区田辺のコンビニへ行く途中、マンション横の石碑が目に入って「なんやろ?」って。そばに寄って見たら「田辺の地に模擬原爆が投下」と書かれてたんです。

 「模擬原爆って何? 原爆って広島と長崎ちゃうの」。生まれ育った地元が原爆に関係していて、犠牲者がいる。しかも実験です。それで命が奪われるなんてやりきれない。それを知らんかった。ショックでした。知ってしまった以上、知らんかったことにはできない。日本中が知った方がいいと思った。

 本のアイデアを持ちかけると…

この記事は有料記事です。残り1397文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

空襲1945

空襲1945

あのとき、日本中が戦場だった。東京・大阪・福岡など各地の写真300枚や映像、データマップで惨禍を伝えます。[もっと見る]