来年の東京五輪・パラリンピックを、視聴者は見たことのない斬新な映像で楽しめるかもしれない。競技や選手を表現する新技術の開発が加速している。目や耳に障害がある人により伝わるよう、人工知能を活用した取り組みも進む。
複数映像を加工→別の視点に
スペイン・バルセロナで2月に開かれたモバイル通信の国際見本市。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は映像技術の革新がもたらす意義をこう述べた。「デジタル化という未来は、人々のオリンピック体験を大きく変えるきっかけになる。スポーツの価値、感動を伝える新しい道が開かれようとしている」
「みせる技術」としていま注目されているひとつが自由視点映像と呼ばれるものだ。
そこにカメラはないのに、トラックを走るランナーの斜め上からドローンで撮ったようなカットを見せたり、サッカーの得点シーンを上空から見下ろした後、ゴールの真後ろに視点を移したり――。提供される可能性があるのはそんな映像だ。競技場を囲むように配置した多数のカメラで撮影した大量の映像のデータを合成、加工することで新たな映像を作り出す。ネット配信だと自分で視点を変え、専用ゴーグルを使ってより臨場感を得ることもできそうだ。
もとは米カーネギーメロン大…
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