「米国が世界の安定を害する」中国、対抗意識むき出しに

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北京=延与光貞 冨名腰隆
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 中国政府が4年ぶりに発表した国防白書「新時代の中国国防」は、対立を深める米国への対抗意識をくっきりと打ち出し、中台統一を目指す決意を強い言葉で示した。中国は変わる国際情勢を強く意識しつつ、軍備の拡充と現代化を進めていく構えだ。

 24日に発表された白書は「国際的な安全保障の不安定性がさらに目立ち、世界は必ずしも平和とはいえない」との認識を示し、国際情勢を分析した。

 特に多くの紙幅を割いたのは米国の動きだ。「核、宇宙、サイバー、ミサイル防衛などの能力向上で世界の安定を害している」などとしたほか、米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約から米国が離脱を決めたことを念頭に、「軍縮の動きがくじかれ、軍備競争が目立っている」と批判した。

 日豪など米国の同盟国やロシアの動向などにも触れつつ、中国軍の装備の機械化や情報化の遅れを指摘。「世界の先進的なレベルとはまだ大きな開きがある」として、引き続き「適度に安定的な拡充を続ける」方針を示した。

 一方、根強い「中国脅威論」を意識し、主要国と国防費を比較。「総額は米国の4分の1に満たず、1人当たりにすれば主要国と比べ低い方だ」とし、一層の軍備増強を正当化した。

 4年前の白書で「平和的に発展している」としていた表現が大きく変わったのが台湾をめぐる問題だ。

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